やりきれない・・・。

北海道・知床半島沖で乗客乗員ら26人が乗った観光船「KAZU Ⅰ(カズ ワン)」

が浸水した事故で、第1管区海上保安本部は24日、洋上や岩場で発見・救助した

10人全員の死亡を確認したと発表した。

 

海上保安庁や道警、自衛隊が残る16人の救出に向けて、さらに範囲を広げて

捜索を進めている。

 

神戸市に住む30代の男性は、北海道旅行中だった両親と弟が観光船に乗っていたと

いう。

この旅行は感謝の気持ちを込めて3人にプレゼントしたものだった。

男性は24日、毎日新聞の取材に対し

「まだ冷たい海にいるかもしれないが、無事を祈っている」と語った。  

 

24日午前1時ごろ、突然、北海道警から電話が入った。

「3人が交通事故にでも遭ったのか」と思ったが、知床半島で浸水した観光船の

乗船名簿に3人の名前があり、緊急連絡先として自分の電話番号が記されていたと

告げられた。  

 

「今までちゃんとした親孝行をしたことがなかったので」。

就職して子どもが生まれ、両親は初孫を喜んでくれた。

弟も子どもに「会いたい」と言ってくれていた。

感謝の気持ちを込めて飛行機のチケット代を男性が負担し、北海道旅行を

楽しんでもらうことにした。  

浸水事故の前には、両親から無料通信アプリ「LINE」で、お土産に何が欲しいかと

尋ねるメッセージが来た。

さっそく北海道名産のカニなどが自宅に届いた。

感謝のメッセージを送ったが、返事はなかった。

両親と弟が捜索で発見されているかどうかすら今は分からない。

男性は「早く確認したいけれど、どうしたらいいのか」と言葉少なに語った。

 

自身も家庭を持って家族の大切さを知ったのだろう。

その先にこんな惨事が待っているとは思ってもいなかったはず。

男性の気持ちを考えたら、とてもやりきれない。

自分を責めそうで心配です。